[ニューヨーク 19日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで下落した。新型コロナウイルス対策としてフランスとドイツが示した欧州連合(EU)の復興基金案を受けたユーロ高がこの日も続いた。 

一方、新型コロナワクチンの良好な治験結果を背景に安全資産への需要が弱まり、ドルは対円JPY=EBSで約1カ月ぶり高値を付けた。 

フランスとドイツは18日、新型コロナの打撃を受けた加盟国への支援として5000億ユーロ(5500億ドル)規模の復興基金の創設を提案。返済義務はない。また、欧州委員会は27日に予定される欧州各国の首脳会議前に復興計画を示す。 

ユーロは対ドルで0.08%高の1.09235ドル。前日と合わせ約1%上昇している。 

MUFGの通貨アナリスト、リー・ハードマン氏は、「仏独案は景気回復を支える持続的な財政刺激策を提供する共同財政能力の活用に向けた重要な一歩」と述べた。 

ドイツ欧州経済センター(ZEW)が19日発表した5月の独ZEW景気期待指数は51.0と、前月の28.2から改善。新型コロナ流行を巡る懸念が後退したほか、今年下半期に緩やかに景気が回復するとの期待が強まったこともユーロを支援した。 

トランプ米大統領は19日、連邦政府機関に規制撤廃を指示する大統領令に署名した。新型コロナウイルス流行の影響からの「経済回復を妨げる不必要な規制」を排除するためという。 

オーストラリアドルAUD=D3とニュージーランドドルNZD=D3は、世界的な経済再開とコロナワクチンへの期待で上昇。 ドルは対円で0.37%上げ、約1カ月ぶり高値を付けた。 英ポンドGBP=D3は対ドルで0.39%上昇。直近の7週ぶり安値からやや戻した。 

ドル/円 
 NY終値 107.68/107.73 
   初値 107.61 
   高値 108.08 
   安値 107.63 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.0921/1.0925 
   始値 1.0966 
   高値 1.0970 
   安値 1.0919