[ジュネーブ 19日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)総会は19日、新型コロナウイルスへの国際対応を検証することなどを求める決議案を採択して閉幕した。米国を含め加盟国194カ国から決議案への反対はなかった。
WHOのテドロス事務局長は、加盟国の多くから支持や結束が得られたことを感謝するとした上で、決議案の採択を歓迎。「われわれは誰よりも説明責任を求めており、今後も新型コロナへの国際的な対応を調整する上で戦略的なリーダーシップを発揮していく」と述べた。
米国は声明を発表し、WHOの対応を巡って公正かつ独立した包括的な検証を求める声が上がったことは評価されると表明。ただし、性・生殖衛生に関する文言は各国に中絶容認を要求していると解釈される可能性があり、胎児の人権に関わるもので認められないと指摘。このほか、知的財産権に関し貧困国が公衆衛生上の緊急時に医薬品を得る上で特許権が免除されるという文言も、新薬やワクチンを開発する製薬会社などに「誤ったメッセージを送ることになる」として、受け入れられないとした。
WHOは18日、新型コロナ感染拡大に対する国際的な対応を巡る独立した検証をできるだけ早期に開始すると表明。テドロス事務局長はこの日、「最も早い適切な時期に評価を開始する」と語った。
トランプ米大統領は前日、米国はWHOへの資金拠出停止を恒久化し、加盟を見直す可能性があると警告。一方、中国は今後2年間で20億ドルを拠出する方針を明らかにした。
これを受け、欧州外交筋は米国の拠出分を中国が埋める構図となり、「まさに恐れていた事態だ」と述べた。