[ニューヨーク 21日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し小幅上昇。新型コロナウイルス感染拡大防止に向けたロックダウン(都市封鎖)による世界経済への影響を見極める動きが続いている。 

米中間の緊張の高まりはドルを支援した。トランプ大統領はこの日、中国が香港に対し国家安全法を導入すれば、米国は「極めて強硬に」対応すると述べた。 

主要6通貨に対するドル指数=USDは0.2%高の99.385。 

米労働省が発表した16日終了週の新規失業保険申請件数は243万8000件となった。新型コロナ流行を受けたレイオフの第2波が広がる中、申請件数は依然高水準で推移し、5月も雇用喪失が継続する可能性を示唆した。 

ドルは3月に約3年ぶり高値を更新した後、弱含んでいる。米連邦準備理事会(FRB)によるドル供給措置などを背景にリスク選好度が高まっていることが背景。 

スコシアバンクの首席為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ドルはここ数週間で推移してきたレンジの下限まで下落しているが、基調的な原動力が新たに台頭しない限り、ドルの下落余地は限定的になる公算が大きい」と述べた。 

ユーロ/ドルEUR=は反落し、0.21%安の1.0956ドル。独仏が提案した5000億ユーロ規模の新型コロナ復興基金創設への期待を追い風に、ユーロ/ドルは過去4日で1.6%上昇していた。 ポンド/ドルGBP=は横ばい。しかし、英中銀によるマイナス金利政策導入を巡る懸念はくすぶっている。 

ドル/円 
 NY終値 107.61/107.63 
   始値 107.71 
   高値 107.83 
   安値 107.56 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.0949/1.0952 
   始値 1.0983 
   高値 1.1008 
   安値 1.0938