先週の米新規失業保険申請件数は、前の週に続き市場予想を上回った。一部地域で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、雇用の回復ペースが鈍化しつつある兆候が強まった。
キーポイント | |
・新規失業保険申請件数(20日終了週)は、通常の州プログラム下で148万件 ・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は132万件 ・前週は154万件(速報値151万件)に修正 ・失業保険の継続受給者数(13日終了週)は通常の州プログラムの下で1950万人に減少 ・市場予想は2000万人への減少 |
インサイト
- 今回の失業保険申請件数は、全国的に深い傷を負った労働市場が回復する上でのリスクを浮き彫りにしている。各州は人々の移動や事業に関する制限の緩和を進め、消費者の需要も一部戻ってきている一方、人口の多い州で新型コロナ感染例が再び増えており、個人消費もパンデミック(世界的大流行)前の水準を下回る状況が続いている
- マリア・フィオリニ・ラミレスの米国担当チーフエコノミスト、ジョシュア・シャピロ氏:
- 多くの人が再雇用されているのは確かだが、一方でレイオフされる人たちもかなりいる
- 今はレイオフの第2波が起きており、閉鎖しているのはサービス業にとどまらない。「こんなに人は必要ない」と企業は考えている
詳細
- 新規失業保険申請件数は、季節調整前では6000件減にとどまった
- この減少幅は、新型コロナ感染がパンデミックとなって以降で最少
- 新規失業保険申請が最も増えたのはカリフォルニア州で、4万5900件増(調整前)
- 他にアリゾナ、フロリダ、インディアナ、メリーランド、カンザス、ニュージャージー、ネバダ、ペンシルベニア、ワシントンなどの州でも顕著な増加が見られた
- 一方、申請件数が最も減ったのはオクラホマ州(3万5600件減)。他にケンタッキー、オレゴン、ニューヨークの各州も大きく減った
- 連邦政府のパンデミック失業支援(PUA)プログラムを含む全てのプログラム下での継続受給者数は6日終了週に3060万人(調整前)に増加。PUAは自営業者や単発の仕事を請け負うギグワーカーなど、各州が設けている通常の失業保険では対象外の労働者にも適用される
- PUAに基づく先週の新規失業保険申請件数は72万8120件で、前の週(77万920件)から減少した
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Initial Jobless Claims Worse Than Forecast for Second Week(抜粋)