[ワシントン 1日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が1日に公表した6月9─10日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、新型コロナウイルス感染拡大に起因する景気後退(リセッション)からの回復に向け、FRBがあらゆる手段を行使することに広範な合意があったことが分かった。 

FRBは同FOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くと同時に、異例の経済支援を継続すると改めて表明。少なくとも2022年まで金利をゼロ近辺に維持するとの見通しも示した。 

議事要旨は「経済がこのところの状況に耐え、FRBが担う最大雇用と物価安定を巡る目標達成に向けた軌道に乗っていると確信を持てるまで、(FF金利の)誘導目標はこの水準に維持されるとの予想が示された」とした。 

FRBは繰り返し、米経済の先行き不透明感は根強く、景気回復は新型コロナが制御されることにかかっていると主張してきた。新型コロナによる米国の死者数は12万7000人を超えている。 

FOMCの開催以降、米国では感染件数が急増しており、複数の政策当局者はここ数週間見られた初期段階の経済回復は既に危機にさらされている可能性があると指摘している。感染が多い州は経済再開の動きを停止するか、逆戻りさせている。 

米経済は2月に景気後退(リセッション)入りした。封鎖措置の緩和とともに経済活動は再開したものの、国内総生産(GDP)や雇用は依然として危機前の水準を大幅に下回っている。6月の第1週に失業保険手当を受けていた人は労働力人口の約5分の1に当たる3000万人超だった。 

FOMCでは異例の経済支援を何年も続けることを示唆。政策当局者は2020年に米経済が6.5%縮小し、年末時点の失業率が9.3%となるとの見通しを示した。 

FRBは利下げのほか、企業や個人の信用の流れが滞らないために何兆ドルもの資金を注入してきた。 

ロイターと調査会社イプソスが1日に公表した世論調査によると、新型コロナに対する不安は1カ月超ぶりの水準まで高まっている。米国では前日、新規感染者数が過去最大に上った。