- 米雇用統計が好調、ワクチン開発は英先行、中国制裁法案可決
- 資本市場「自由」でないとダリオ氏、英とEUの溝埋まらず
米株式相場は上昇し、S&P500種株価指数は4日続伸。予想を上回る雇用統計が好感されました。ただフロリダ州での新型コロナウイルス感染急増などで第2波を巡る懸念が強まったことから、終盤に大きく上げを削る展開となりました。今後も感染状況や景気見通しに一喜一憂する展開が続きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
改善加速
6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比480万人増となり、市場予想(323万人増)を上回る伸びとなった。失業率は11.1%に低下(前月13.3%)。トランプ大統領は今回の統計について、米経済の「強力な盛り返し」を証明していると主張した。ただこのところは、新型コロナ感染の再拡大に伴い経済活動再開のプロセスに急ブレーキがかかっており、雇用の見通しも不透明になっている。
英が先行
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、新型コロナ感染症(COVID19)のワクチン開発で英オックスフォード大学が先行していると指摘。その上で、パンデミック(世界的大流行)への対処では2種類以上のワクチンが必要だと語った。オックスフォード大のワクチン開発については、「一時的に開発をリードしているからといって実際に機能するワクチンができるとは限らず、慎重になる必要がある」とも発言した。
全会一致
米上院は2日、香港の民主派弾圧に関与する中国当局者と取引を行う銀行に制裁を科す法案を全会一致で可決した。法案は下院が1日に可決済み。トランプ大統領が署名すれば正式に成立する。
「自由」失う
最近の中央銀行の動きは、資本市場がもはや「自由」ではないことを意味している。ヘッジファンド運用最大手ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏が指摘した。同氏は、「今の経済や市場は中央銀行や中央政府との協調対応によって動かされている」と述べ、その結果、「資本市場は従来のやり方でリソースを配分する自由な市場ではなくなった」と述べた。
溝埋まらず
英国と欧州連合(EU)は2日、将来の関係を巡る交渉を予定より1日早く打ち切った。英政府は「交渉は包括的で有用だった」としつつ、「多くの重要な問題で、英国との間には依然著しい相違があるとEU側は強調した」と説明。EU側の首席交渉官、ミシェル・バルニエ氏も「深刻な隔たりが残っている」との認識を示した。
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