香港では、香港国家安全維持法の施行で締めつけが強まるなか、民主派が、ことし9月の立法会の議員選挙に向けてみずからの候補者を決める予備選挙を行った結果、市民およそ61万人が参加しました。民主派は、目標を大きく上回る支持を得たとして政府に対し、候補者の立候補を取り消さないよう圧力を強めていく方針です。
香港の民主派による予備選挙は、議会にあたる立法会の議員選挙に向けて候補者を絞り込むため、香港大学の戴耀廷准教授らが中心となって呼びかけて行われました。
投票は日本時間の12日夜10時すぎに締め切られ、戴准教授らは、11日と12日の2日間で61万3000人余りが投票に参加したと発表しました。
民主派は、去年の区議会議員選挙で獲得した票数の10分の1にあたる17万人を目標としていましたが、これを大きく上回りました。
戴准教授は「香港の市民が歴史を作った。国家安全維持法による圧力にもかかわらず、これほど多くの市民が投票に参加し、香港の民主主義のため、闘うことを諦めていないことを示した意味は大きい」と述べました。
立法会の議員選挙は、今月18日から立候補の受け付けが始まることになっていて、民主派は今回の結果を踏まえて候補者を届け出ることになりますが、香港国家安全維持法に反対する候補者は立候補が取り消される可能性も指摘されています。
民主派としては予備選挙で多くの市民の支持を得たとして、立候補を取り消さないよう政府への圧力を強めていくことにしています。