[ニューヨーク 14日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。インフレ期待がやや高まったほか、欧州連合(EU)の景気刺激策を巡る楽観的な見方を背景にユーロが上昇した。
主要6通貨に対するドル指数=USDは0.29%安の96.271。
米労働省が14日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.6%上昇と、伸び率は2012年8月以来の大きさとなった。ガソリン価格と食品価格の上昇が寄与した。
ただ、アナリストはCPI以外の経済指標にインフレの兆候が見受けられると指摘。ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「どちらかと言えば、CPIは米経済の実際のインフレ率を過小評価している」と述べた。
米市場ではインフレ対策として米物価連動国債(TIPS)を購入する動きが強まっている。米連邦準備理事会(FRB)や米財務省による新型コロナ対策によってインフレが進むと予想されているためだ。10年物TIPS利回りUS10YTIP=RRは3月下旬以降、マイナス圏で推移しており、現時点ではマイナス0.797%と最安値近辺となっている。
ドル安はユーロEUR=上昇を支援。EUが新型コロナ対策の緊急資金供給策で合意するとの期待を背景に、ユーロは0.44%高の1.139ドルとなった。
シャモッタ氏は「巨額の救済案が承認され、ユーロ圏の経済的損失が緩和するとの見方が市場のコンセンサスになりつつある」と指摘。ただ「歴史的に見ると、救済案に過度な期待を抱くべきではなく、最終的には現時点で協議されているものよりも小規模で希薄になる可能性がある」とした。
ドル/円
NY終値 107.23/107.26
始値 107.38
高値 107.42
安値 107.16
ユーロ/ドル
NY終値 1.1396/1.1400
始値 1.1369
高値 1.1408
安値 1.1362