[ニューヨーク 15日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、リスク心理改善を受けてドルが1カ月ぶり安値を付けた。新型コロナウイルスワクチン開発で進展が見られたことから、株式が上昇したほかコモディティー通貨が強含んだ。 

ドル指数=USDは6月以来初めて96を割り込み、一時95.770に下落した。終盤の取引では0.09%安の96.070。 

米国の研究者チームは14日、米バイオ医薬大手モデルナ(MRNA.O)が開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、初期段階の研究で安全性が示されたほか、健康なボランティア45人全員に免疫反応が見られたとする報告書を公表した。

一方、米中対立や米国での新型コロナ感染第2波による経済への影響など、警戒すべき要因は残っている。 

コモディティー関連通貨ではカナダドルCAD=が0.73%、オーストラリアドルAUD=が0.43%、ニュージーランドドルNZD=は0.46%、それぞれ上昇した。 

アクション・エコノミクスのアナリストはドル安について、「株式や利回り上昇というリスクオンの動きがあり、安全資産である米ドルのロングポジションが解消された」と指摘。リスクテークの急増はモデルナのワクチンに関するニュースが背景との見方を示した。 

ユーロEUR=は4カ月ぶり高値の1.145ドルまで上昇。3月初旬のピークである1.150ドルに接近した。終盤は1.141ドル。ドル安に加え、17日から開催される欧州連合(EU)首脳会議で新型コロナ復興基金案が合意されるという期待が重なった。 

ドル/円 
 NY終値 106.92/106.96 
   始値 106.88 
   高値 106.99 
安値 106.67 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1410/1.1413 
   始値 1.1440 
   高値 1.1451 
   安値 1.1402