先週の米新規失業保険申請件数はわずかな減少にとどまり、景気回復への課題が山積していることを示唆した。
キーポイント | |
・新規失業保険申請件数(11日終了週)は、通常の州プログラム下で前週比1万件減の130万件-3月以来の小幅な減少 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は125万件 ・前週は131万件(速報値131万4000件)に修正 ・失業保険の継続受給者数(4日終了週)は通常の州プログラムの下で1730万人に減少市場予想の中央値は1750万人 |
インサイト
- 新型コロナウイルスの拡大が広がり、経済活動の再開が停止あるいは逆戻りする中、今回の統計は労働市場の回復が停滞していることを示す新たな証左となった
- 失業保険の連邦政府上乗せ給付が失効する可能性に加え、さまざまなセクターで引き続き抑制されている需要を背景に、状況は悪化する危険性がある。アメリカン航空グループとユナイテッド航空ホールディングスは年内に数万人規模のレイオフの可能性を示唆している
- バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏:
- 「今後の労働市場改善が格段に難しいことを失業保険統計は示唆している」
- 季節調整前では、新規申請件数は10万8800件増の150万件と、4月初め以来初の増加。最近になって感染が拡大しているカリフォルニアとフロリダ、アリゾナの3州ではいずれも季節調整前で申請件数が増加
- バンク・オブ・アメリカのエコノミストによると、現在までに22州が経済活動の再開を後退させたか停止しており、カリフォルニア州ではレストラン店内の飲食が禁止された
詳細
- 連邦政府のパンデミック失業支援(PUA)プログラムに基づく新規失業保険申請件数は、11日終了週に92万8488件
- PUAは自営業者や単発の仕事を請け負うギグワーカーなど、各州が設けている通常の失業保険では対象外の労働者にも適用される
- 前週は105万件
- PUAを含む全てのプログラムに基づく継続受給者数は、6月27日終了週に43万人減少して3200万人(調整前)
- この数字はただ、PUAに基づく継続受給者が実際より多く集計されことを反映している可能性が高い
- 過去に処理しきれなかった分が反映された部分もある
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Initial Jobless Claims Signal Slowing Labor-Market Rebound(抜粋)