新型コロナウイルスの検査を拡充するため、厚生労働省は、感染者の濃厚接触者と認められなくても、勤め先での感染リスクが高いと考えられる人などを公費負担による検査の対象に加えることにしました。
東京都でホストクラブといった接待を伴う飲食店などでの集団検査が行われる中、厚生労働省は、公費負担による検査の対象を拡充した新たな基準をまとめました。
それによりますと、感染が疑われる症状がない場合は、感染者の濃厚接触者と認められた人だけが対象となっていましたが、勤め先や住んでいる地域での感染のリスクが高いと考えられる人なども対象に加えています。
また、公費負担による検査では、結果が陰性でも14日間は外出の自粛が求められますが、新たに対象となる人たちには、こうした対応は求めないとしています。
厚生労働省としては、今回の基準を設けることによって集団検査への一層の協力を促したい考えです。
一方、プロスポーツ選手や海外に出張する人など、社会経済や文化の活動のために検査を希望する人は公費負担の対象とはせず、自己負担で受けてもらうとしています。
検査の対象は
新型コロナウイルスに感染しているかどうか調べるPCRなどの検査は、現在、感染が疑われる症状があり、医師が必要と認めた人や、症状がなくても患者の濃厚接触者と認められる人に対して、検査にかかる費用を行政が公費で負担する形で行われています。
その一方で、感染しているリスクが低い人が感染していないことを確認するための検査は公費負担では行われず、プロスポーツ選手などは自己負担する形で検査を受けています。
検査の在り方について、政府が設置した新型コロナウイルス対策の分科会では今月、症状がなくても感染しているリスクが高い人には徹底したPCR検査を行うなどとする考え方を専門家が示しました。
この中では、症状のない人については、感染しているリスクによって対応を分け、感染しているリスクが高い、接待を伴う飲食店に関わる人たちやその地域の人たちには徹底したPCR検査を行うとしています。
また、重症化するリスクが高い、病院や高齢者施設の関係者に対しては、例えば感染者が1人でも出た場合などに、検査を行うとしています。
一方で、社会経済や文化の活動を進めるために、検査を受けたいという人は感染しているリスクが低いことから、公費負担の検査は行わず、検査を受ける場合には自己負担で行うとしています。
そして、検査では一定の割合で感染していても陰性になったり、感染していなくても陽性になったりするなど、誤った結果が出ることがあることにも十分注意すべきだとしています。