【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は17日、ブリュッセルで臨時首脳会議を開き、新型コロナウイルス危機対応の7500億ユーロ(約92兆円)の経済再建策を協議した。ただ、規模や配分の在り方をめぐり加盟国間の溝は埋まらず、議論は難航。予定する2日間の日程で合意できるか不透明な情勢だ。

 会議は2月以来、5カ月ぶりに対面形式で開かれた。初日の協議は断続的に深夜まで約13時間に及んだが、着地点を見いだせなかった。ポーランドのモラウィエツキ首相は終了後、記者団に「妥協から程遠いのは明らかだ」と述べた。

 検討中の再建策では、5000億ユーロを返済不要な補助金で、残りを融資で各国に供給する。これに対し、財政規律を重視する北部諸国が、融資中心の支援を主張し難色を示す。特にオランダは、対象国の構造改革が不十分なら他の加盟国が支援を拒否できる仕組みを要求し、議論が行き詰まっている。