米中対立

アメリカ政府が閉鎖を命じた南部テキサス州ヒューストンの中国総領事館について、アメリカの複数のメディアは、長年、医療研究などの知的財産を盗み出すための拠点になっていたと伝えました。メディアは、現地時間の24日に総領事館は閉鎖されると伝えていて、米中関係のさらなる悪化は避けられない見通しです。

アメリカ国務省は22日、声明で「アメリカの知的財産と個人情報を保護するため」として、南部テキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じました。

これについて、アメリカの複数のメディアは23日までに、ヒューストンの中国総領事館は、アメリカの知的財産を盗み出すための中国政府の拠点になっていたと伝えました。

このうち、NBCテレビは複数の政府関係者の話として、総領事館が長年、アメリカの医療研究の結果を盗むために使われていて、トランプ大統領は2017年の就任直後からこうした活動について説明を受けていたと伝えています。

アメリカメディアは、現地時間の24日に総領事館は閉鎖されると伝えていますが、中国政府は対抗措置を取る構えを崩しておらず、米中関係のさらなる悪化は避けられない見通しです。

米議会下院議員「中国がワクチンを盗もうとしている」

ヒューストンの中国総領事館について、テキサス州選出で議会下院、外交委員会のマコール議員は、アメリカメディアのインタビューに対し「アメリカの生物医学研究を盗むための中国のスパイ活動の震源地だ」と述べました。

そのうえで「医療研究機関があつまるテキサス医療センターでは、ワクチンの研究も盛んに行われている。中国がワクチンを盗もうとしていることをわれわれは知っている」と述べ、中国総領事館が新型コロナウイルスのワクチンの開発情報を盗もうとする行為にも関わっていたとの見方を示しました。