[ワシントン 23日 ロイター] – 米ホワイトハウスと上院共和党指導部とが取りまとめを急ぐ追加の新型コロナウイルス経済対策法案に、トランプ大統領が長らく求めている給与税減税が盛り込まれない見通しになった。また、月末に終了する失業保険給付額の上積み分が減額される可能性があるという。
ムニューシン米財務長官は23日、ホワイトハウスは1兆ドル規模の追加の新型コロナ経済対策を早急に取りまとめることを目指しているとした上で、給与税減税の策定は時間がかかるため、今回の経済対策では直接支援に的を絞っていると説明。同時に「経済対策第5弾が打ち出される可能性はある」とし、「第5弾について検討することになれば、トランプ大統領は給与税減税を巡り考慮する」と語った。
トランプ大統領と上院共和党指導部は前日、経済対策の一部で原則合意に達した。これを踏まえ、ムニューシン長官はこの日、メドウズ大統領首席補佐官と共和党のマコネル上院院内総務と会談。「資金の割当をまとめ、最終法案の一部を精査した」と述べた。
有力上院議員の側近によると、法案には個人に1200ドル、夫婦に2400ドルの現金給付が盛り込まれる見通しという。
月末に失効する失業給付を週600ドル上積みする特例措置について、ムニューシン長官は「自宅待機者に就業者よりも多額の資金を支払うことはしない」とし、現行のままで延長するのではなく、「賃金の70%を補うような措置を見極め、方策を探っている」と述べた。
しかし、野党民主党が過半数を握る下院で同法案が通過するか不透明だ。ペロシ下院議長は対策を「断片化することはできない」と述べるなど、民主党は包括的な経済対策を模索しているほか、失業給付上積み措置延長を求めている。
民主党のシューマー上院院内総務は、共和党内に存在する隔たりが法案策定の障害になっていると批判。「共和党は失業給付上積み分の減額幅を巡り膠着している」と述べた。