全米不動産業者協会(NAR)が29日発表した6月の中古住宅販売成約指数は、住宅ローン金利の低下に支えられ予想を上回った。新型コロナウイルスが足かせとなる米経済で、住宅市場が明るいスポットになっていることをあらためて示した。
キーポイント |
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・5月の中古住宅販売成約指数(季節調整済み)は前月比16.6%上昇し116.1と、2006年2月以来の高水準 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は15%上昇 ・5月は前月比44.3%上昇していた ・前年同月比(季節調整前)では12.7%上昇 |
インサイト
- 新型コロナのパンデミック(世界的大流行)のただ中でも販売成約が前年同月比で上昇したことは、かなり意外で注目に値する-NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏
- 「6月は住宅市場の活動が堅調だった。住宅ローン金利は極めて低く、低下は7月にかけて続き、買い手を支えた-ケラー・ウィリアムズのチーフエコノミスト、ルーベン・ゴンザレス氏
詳細
- 販売成約指数は全米4地域の全てで上昇
- 南部は11.9%上昇し、統計を開始した01年以来の高さ。中西部は12.2%上昇し17年2月以来の高さ。西部は11.7%の伸び。北東部は54.4%上昇し4カ月ぶり高水準
- 米経済の大半が失速する中でも、住宅ローン金利が過去最低水準にあることや人口密度の高い都市圏を脱出する動きが、住宅市場の活況に寄与。国勢調査局の最新報告によると、4-6月(第2四半期)の住宅所有率は08年以来の高さ
- NARは2020年の中古住宅販売件数予想を518万戸と、5月予想の493万戸から引き上げた
- 統計表
原題:U.S. Pending Home Sales Exceed Forecast as Mortgage Rates Fall(抜粋)