- ティックトック米国事業売却に期限、ISM製造業景況指数
- 市場混乱の原因究明へ、コメルツ銀新会長、ECBリモート勤務延長
中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却について、トランプ大統領が期限を設定しましたが、欧州主要国はこれにくみしない考えを表明しました。中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対して欧州勢は当初こそ米中の間で中立姿勢を維持しようとしましたが、最終的にはファーウェイへの態度を硬化させました。今回も同じ道をたどるのか、それとも基幹の通信インフラに関係ないということで危険視されないのか、今後の動向に注目が集まります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
9月15日までに
動画投稿アプリ「ティックトック」について、トランプ米大統領は9月15日までに米国事業の売却取引が成立しないなら閉鎖させると言明した。ティックトックの米事業を巡っては、マイクロソフトが買収交渉を継続していると明らかにした。トランプ氏はマイクロソフトの買収を容認する一方で、取引の一部として米政府に「多額の支払い」がなければならないとの考えを示した。
19年3月以来の高水準
米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業総合景況指数は54.2と、2019年3月以来の高水準。受注が一段と堅調になり、在庫が減少したことで、製造業者の間で生産を増やす動きが広がった。18業種のうち13業種が活動の拡大を報告。木材製品や家具、繊維の上昇が特に目立った。サブ指数では生産指数が18年8月以来の高水準。受注指数は同年9月以来の高い水準となった。
原因究明へ
米連邦準備制度理事会(FRB)やその他の中央銀行は、ヘッジファンドなどのシャドーバンク(影の銀行)の調査を開始した。3月に起こった市場混乱について解明を目指す。3月には世界の投資家が現金確保に動いたことで金融システムが脅かされ、当局による異例の救済措置につながった。当局は規制の緩やかな短期金融市場とヘッジファンド、住宅ローンのオリジネーターなどを調査する。一部の監督機関は既に、レバレッジを効かせた米国債取引が混乱の一因だったと指摘している。
反対押し切り
ドイツのコメルツ銀行は3日、監査役会の新会長にハンスイェルク・フェッター氏を指名した。同行2位の大株主である米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントの強い反対を押し切っての指名となった。ドイツの州立銀行トップだったフェッター氏の選出は、今年6月からコメルツ銀に経営陣刷新と戦略見直しを迫ったサーベラスにとって敗北となる。ブルームバーグはこれより先、サーベラスが監査役会に書簡を送り、フェッター氏の指名に反対を表明していたと報じた。
3カ月延長
欧州中央銀行(ECB)のスタッフは、少なくとも年末までリモート勤務を継続するよう指示を受けたことが、事情に詳しい複数の関係者の話で明らかになった。新型コロナウイルス感染症(COVID19)のまん延が収束の兆しを見せない中で、リモート勤務は当初予定よりも3カ月延長された。テレワークが引き続き基本的な勤務形態になるとの通知があったという。
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