【ワシントン時事】トランプ米大統領が次期駐日大使に指名した保守系シンクタンク「ハドソン研究所」のケネス・ワインスタイン所長(58)の人事案承認をめぐる公聴会が5日午前(日本時間6日未明)、オンライン形式の上院外交委員会で行われた。ワインスタイン氏は、日本に対し「より大きな責任を引き受けるよう求めていく」と強調。軍事力や技術力を高める中国を念頭に北東アジアの安全保障上の課題で貢献拡大に期待を示した。就任には上院の承認が必要だ。
米大統領、駐日大使にワインスタイン氏指名 保守系シンクタンク所長
ワインスタイン氏は、トランプ氏と安倍晋三首相の友好に触れ「日米関係は非常に緊密だ」と指摘。「日米同盟はインド太平洋地域の平和、安全、繁栄の要になっている」と称賛した。
今秋以降に始まる在日米軍駐留経費の日本側負担の交渉については「実り多い結果になることを楽観している」と述べた。大幅な増額を求める考えのトランプ氏の要求に応えるよう促した形だ。
また、1月に発効した日米貿易協定に続き「包括的な貿易協議に取り組むことを期待する」と表明。「特に自動車分野でさらに(交渉を)進める必要がある」と訴えた。
準備書面の中で、北朝鮮による日本人拉致について「日本人の心にとって大切なものだ」と言及した。トランプ氏がシンガポールとハノイの米朝首脳会談で提起したことも改めて強調した。
ハガティ前大使は今年11月の上院選出馬のため、2019年7月に辞任した。以来、駐日大使の空席が1年以上続く異例の事態となっている。
ワインスタイン氏は日本専門家ではないが、安倍首相に近いことで知られる。対日関係を重視し、ハドソン研究所に日本部門を設置。マクマスター元大統領補佐官(国家安全保障担当)を日本部長に招聘(しょうへい)した。