自民党の岸田文雄政調会長は時事通信のインタビューに応じ、新型コロナウイルス対策として引き下げを求める意見がある消費税率について「下げるべきではない」と述べた。主なやりとりは次の通り。
―コロナ禍の中、次期首相に求められる資質は。
ウィズコロナの危機的な状況を前にして、やはり国民の協力、一体感を引き出すことができるリーダーが求められているのではないか。私もそういうリーダーになりたい。(自粛要請中心の)日本モデルの対策を支えたのは、間違いなく国民の理解や協力だったと確信している。
―自身の政策は。
新型コロナの影響を考えると、格差はより深刻な状況にある。もうけ第一主義ではなく、環境や地域貢献、人を重視する「新しい資本主義」を考えていかなければならない。中間層への分配は世界的な課題だが、分配のありようについても考えていく。新型コロナ対策で出版が遅れている自著の中でも考え方を示していきたい。
―消費税減税を求める声がある。
消費税は下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか。なおかつ消費税は社会保障の重要な財源となっている。社会保障の充実が言われている時に、この基幹税を軽減することはいかがなものだろうか。
今は世界中の国が大規模な財政出動をしている。日本も思い切って財政出動を行うことは大事だ。恐らくここ数年は、引き続きやるべきことをやる段階だと思うが、その先には財政・経済の問題を一体化しながら、しっかりと未来を考えていかなければいけないのではないか。
―次期総裁選への意欲を。
次の時代を担う一人になれるよう政治家として努力を続けたい。そういう思いは変わらない。強く思っている。
―支持拡大戦略は。
地方に足を運ぶ努力は続けたい。日本の政治を考える際に東京の机の上ではなく、地域のさまざまな雰囲気や声を五感で感じながら政策を考える取り組みは大事ではないか。併せて、自民党内で考え方に共感してもらえる同志を増やしていく。