インタビューに答える片山さつき前地方創生担当相=4日、東京・永田町
インタビューに答える片山さつき前地方創生担当相=4日、東京・永田町

 安倍内閣の地方創生担当相として持続可能なまちづくりを進めてきた。地方創生として、人工知能(AI)やビッグデータなどデジタル技術を活用した都市「スーパーシティ」になるしか自治体は生き残れない。キャッシュレス決済、自動走行車両の導入、行政手続きのIT化など新しい生活様式をデジタルでつくり上げる取り組みだ。

スーパーシティ、9月に公募開始 年内選定目指す

 人口減少社会で、支え手と支えられ手の数が大幅に逆転していく。しかも、外国人材を大幅に取り込める国ではない。全部の自治体がスーパーシティ化しないと日本の2050年はない。

 具体的には、リモートワーク、リモート学習が進めば、東京一極集中の緩和になる。東京に人が集まる理由は、地方に良い職場、高等教育の場がないということだ。デジタル技術を活用すれば、職場も大学も東京である必要はなく、自然豊かな地方移住が進むことになる。

 これまで移住が進まない理由に、子どもの教育環境、医療・介護への不安もある。これもデジタル技術で解消できる。VR(仮想現実)を含む遠隔教育でハイレベルな教育内容を提供できるようにする。また、オンライン診療、遠隔診療で課題は解消できる。

 今回の新型コロナウイルス感染で分かったことは、デジタル分野のインフラ整備が遅れていることだ。ここへの投資も必要で、景気対策にもなる。

 スーパーシティを推進するため、自民党の二階俊博幹事長、菅義偉官房長官、河村建夫元官房長官らを呼び掛け人として、9月に「地方創生・未来都市推進議員連盟」を立ち上げ、自治体を支援したい。議連はAI、ビッグデータを活用した防災や感染症対策の取り組みも後押しする。先進的な取り組みが成功すれば、多くの自治体に広がる。スーパーシティ化が加速すれば、デジタル分野に優秀な日本人が参入することになる。

 片山 さつき氏(かたやま・さつき)東大法卒。05年衆院選で初当選、その後参院に移り比例代表で当選2回。総務政務官や参院外交防衛委員長を歴任。61歳。