【北京時事】中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議が8日、北京の人民大会堂で始まった。香港の林鄭月娥行政長官が9月の立法会(議会)選挙の1年延期を発表したことを受け、現職議員の任期延長など「特例」を議論し、11日までの会期中に決定する見通し。その際、民主派議員を排除する解釈が示される可能性が出ている。
国営中央テレビによると、8日の会議では国務院香港・マカオ事務弁公室の夏宝竜主任が、「香港立法会の継続運営」に関する決定を全人代常務委に求める提案理由を説明。この中では選挙の延期を「法的根拠も十分で、新型コロナウイルスの感染が拡大する現状にも合致している」と評価した上で、「延期により生じる立法機関の空白に対する関連決定が、香港の繁栄と安定のために必要だ」と指摘した。ただ、常務委が議論する決定案は公表されていない。
焦点は、香港の選挙管理当局が選挙延期発表前に立候補禁止を命じた民主派12人のうち現職4人の扱い。全人代常務委員の譚耀宗氏は中国メディアの取材に「立候補資格を取り消された4人の扱いについて意見は分かれている」と述べ、排除に含みを持たせた。4人が失職すれば、立法会の民主派勢力が3分の1を下回り、親中派に有利な法律の成立を阻止できなくなる恐れがある。