【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は15日、ソウルで開かれた日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の式典で演説した。文氏は元徴用工問題をめぐり「いつでも日本政府と向き合う準備ができている」と述べ、日本との協議を通じて問題解決を図る考えを改めて強調した。ただ、具体的な解決策には触れておらず、協議が進展するかは不透明だ。
新日鉄住金(現日本製鉄)に賠償を命じた韓国最高裁判決をめぐっては、日本製鉄が7日、韓国内資産差し押さえ命令に対し、即時抗告した。日韓関係に「深刻な状態を招く」とされる「現金化」は年末以降になる見通しだが、資産売却手続きは着実に進みつつある。
文氏はこの日の演説で、最高裁判決は「韓国の領土内で最高の法的権威と執行力を有する」と指摘。「政府は司法の判決を尊重し、日本政府と協議してきた。今も協議の扉を開いている」と強調し、従来表明してきた司法手続きに介入しない立場を繰り返した。