[ニューヨーク 18日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが5日続落し、2年3カ月ぶりの安値に沈んだ。米連邦準備理事会(FRB)の刺激策の効果がドル安につながっているほか、米国株式市場ではS&P総合500種が最高値を更新した。 

ドルは危機時に安全な投資先として機能することが多いが、新型コロナウイルス危機を受けてFRBが金融市場の流動性維持に向け介入して以来、下落が続いている。経済指標は米経済の鈍い回復を示しているが、FRBの政策はリスク資産を過去最高水準に押し上げる一方、安全資産への需要は低下した。 

終盤のドル指数=USDは0.55%安の92.308。一時は2018年5月以来の92.124まで下落した。ドルは対ユーロEUR=でも同月以来の安値となる1.197ドルを付けた。 

また、円JPY=に対しても2週間ぶり安値の105.27円に下げた。 

BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略グローバルヘッド、グレッグ・アンダーソン氏は、ドル安について「FRBが市場に流動性を供給しているためだ」と指摘。 

この日の下落は特定の指標発表によるものではなく、下落の流れが勢いを増してきたためと分析。「ドルの勢いは一度定着すると、反転は空母を転覆させるほど難しい。流れは定着していると思う」と述べた。 

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(8月11日までの週)に基づくロイターの算出によると、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する売り越し額は増加し、2011年5月以来の大きさとなった。 

カナダドルCAD=は対米ドルで1.315カナダドルまで上昇し、1月下旬以来の高値。カナダのトルドー首相は18日、前日辞任したモルノー前財務相の後任に、側近のフリーランド副首相(52)を起用する人事を発表した。 

アンダーソン氏は「モルノー氏は堅実な財務相で、辞任は概してやや不安定要因だろう。ただ、フリーランド氏もこれまで卓越した仕事をしてきた」と述べた。 

ドル/円 
 NY終値 105.42/105.45 
   始値 105.55 
   高値 105.57 
   安値 105.29 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1929/1.1933 
   始値 1.1898 
   高値 1.1965 
   安値 1.1899