[ニューヨーク 27日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場でドルは上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は27日、予想されていた通り、雇用と物価の押し上げに向けた新たな戦略を発表した。 

それによると、FRBはインフレ率が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指すほか、最大雇用の確保を図る。 

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、ほぼ市場の予想通りだったと指摘。ただ、「FRBは2012年からインフレ目標を達成しておらず、真剣になったと言われても、それでインフレやインフレ期待が生まれるとは思えない」と述べた。 

ドル指数=USDはFRB発表後にまず下落の反応を示したが、その後反発。0.2%高の93.00まで上昇した。 ユーロEUR=は0.07%安の1.1821ドル。 

FRBが長期的に物価圧力を強める一方、金利をゼロ付近に長く維持することができれば、ドルにはネガティブ要因になる。 

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、「他の主要中銀全てが刺激策の解除を始め、引き締めの兆候が示される際、FRBの動きは遅れることになる。金利格差はドルにとって有利でなく、ドルへの長期的に弱気な見通しとなる」と述べた。 

米労働省が発表した22日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は100万6000件と、前週の110万4000件から減少したが、新型コロナウイルス感染拡大が収束しない中、米労働市場の回復が足踏み状態にあることが示された。 

英ポンドGBP=は一時8カ月ぶり高値の1.3283ドルまで上昇し、その後は1.3202ドル。 

ドル/円 
 NY終値 106.55/106.58 
   始値 106.07 
   高値 106.70 
   安値 105.62 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1821/1.1823 
   始値 1.1805 
   高値 1.1900 
   安値 1.1763