[ニューヨーク 3日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、円とスイスフランが対ドルで上昇。米株相場の急落で、安全資産買いが強まった。
米株市場ではアップル(AAPL.O)、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)、マイクロソフト(MSFT.O)、アルファベット(GOOGL.O)といったハイテク株の下落が相場を押し下げた。アナリストは、弱い指標で景気回復が長期化する懸念が強まったことが背景としている。
ドル/円JPY=は0.1%安で、先週以来の下落となった。対スイスフランCHF=では0.15%安の0.909フランだった。
アクション・エコノミクスのアナリストはドル/円について、「リスク環境が明らかにネガティブになったことで、リスクに敏感なドル/円は106.02円まで一時売り込まれた。米株の急落に加えて米債利回りの低下が重しになった」と分析した。
米労働省が3日に発表した8月29日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は88万1000件と、前週の101万1000件から13万件減少し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(95万件)以上に改善した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しが見えず、労働市場の回復も勢いが鈍る中、失業保険申請件数はなお高止まりが続いている。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンゲン氏は「季節調整方法の変更によって、申請件数の減少数が実際よりも大きくなったと考えている」と述べた。
4日には8月の米雇用統計が発表される。
ドルは対ユーロEUR=でほぼ横ばい。序盤は欧州中央銀行(ECB)がユーロ高を懸念しているとの見方からユーロが売られ、ドルは1週間ぶり高値を付けた。ドルは前日、対ユーロで2年4カ月ぶり安値を付けていた。
終盤のドル指数=USDは0.09%高の92.78で、前日の安値から1.12%高い水準で推移した。
ドル/円
NY終値 106.17/106.20
始値 106.46
高値 106.55
安値 106.01
ユーロ/ドル
NY終値 1.1849/1.1852
始値 1.1812
高値 1.1864
安値 1.1803