任天堂は家庭用ゲーム機「スイッチ」の組み立て業者に対して生産台数の引き上げを再度要請しており、今期(2021年3月期)の目標を最大約3000万台に設定したことが複数の関係者への取材で明らかになった。
同社は、ゲームソフト「あつまれどうぶつの森」の大ヒットや、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巣ごもり需要に支えられる形で伸びたスイッチの販売増への対応に苦慮している。関係者は匿名を条件に、8月初めには目標生産台数を約2500万台に引き上げていたものの供給不足は解消されておらず、組み立て業者の工場稼働率は現在120%に達していると話した。
「あつまれどうぶつの森」の発売から半年たった現在でも、ゲームソフトとゲーム機本体の両方が好調な売れ行きを維持するという異例の人気となっている。任天堂の広報担当者はコメントを控えた。
Still Going Strong
Nintendo’s Switch consoles haven’t lost momentum in Japan this year
Source: Famitsu
2019年の廉価版ゲーム機「スイッチライト」の発売も人気拡大を後押ししており、任天堂は21年にスイッチの新モデル発売やゲームソフトのラインアップ拡充を計画している。
ファミ通グループの林克彦代表は、「潜在的な需要が強く、ハードがまだ行き渡っていない」と指摘。任天堂のゲームは年末年始などに確実に売り上げを伸ばす傾向があり、それに伴い本体の需要も伸びると予想している。年内にはソニーの「プレイステーション5」やマイクロソフトの「Xbox(エックスボックス)シリーズエックス」と「シリーズエス」の発売が予定されているものの購買層は異なることから、「新ハード発売による影響はそれほどない」との見方を示した。