[ワシントン/北京 9日 ロイター] – 米国土安全保障省(DHS)のチャド・ウルフ長官代行は9日、一部の中国人の大学院生と研究者への査証(ビザ)発給を停止すると発表した。機密性の高い研究の盗用を防ぐためという。

ワシントンでの講演で、新型コロナウイルスに関する研究を盗用しようとする行為など、中国による不当な商慣習と産業スパイを改めて非難。中国は米国の学術的研究を搾取するために学生ビザを悪用しているとし、「機密性の高い研究の盗用・着服を防ぐために、中国の軍事融合戦略と関係がある特定の中国人の大学院生や研究者へのビザ発給を停止する」と述べた。

また、中国新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒虐待疑惑を巡り、「強制労働によって製造された商品が米国市場に流入することを阻止し、中国に対して人間一人一人が持つ本来の尊厳を尊重するよう求める」と語った。ただ、詳細については明らかにしなかった。

米国の大学に通う一部の中国人学生はこの日、ビザ取り消しを伝える電子メールを在米中国大使館または在中米国領事館から受け取ったと指摘。電子メールには、米国への渡航には新たなビザを申請する必要があると記載されていたという。