【ロンドン時事】英製薬大手アストラゼネカは12日、英オックスフォード大と共同開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、臨床試験(治験)を英国内で再開したと発表した。安全性が確認されたとして、規制当局が再開を承認した。

 同社は今月6日、治験参加者の1人に「原因不明の症状」が出たとして、日本を含む世界各地で進めている治験を一時中断した。その後の調査で安全性が確認されたという。

 同社は「これ以上の医療情報を開示することはできない」としているが、日本での治験も今後再開されるとみられる。早期再開となったことで、今回の治験中断が開発スケジュールに与える影響は限定的なものとなりそうだ。

 同社のワクチンをめぐっては、日本政府も1億2000万回分の供給を受けることで合意している。トランプ米大統領は11月の大統領選前にワクチンを早期承認する可能性を示唆しているが、同社は安全性を最優先する考えを示している。