【ソウル時事】朝鮮中央通信は12日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が南西部・黄海北道銀波郡の水害復旧建設現場を視察したと報じた。正恩氏は8月の水害発生直後にも同地域を訪れており、軍部隊を動員した復旧作業の状況を点検し、肯定的に評価した。
金正恩氏、災害復旧で結束狙う 失策批判回避か―建国72周年の北朝鮮
農村の住宅建設を視察した正恩氏は「わずか30余日でこのような理想郷の姿が現れたのは党への忠誠心と人民への熱烈な愛を備えたわが人民軍だけが創造できる奇跡だ」と強調。「人民軍の戦闘力は今回も世界を驚かすだろう」と訴えた。
黄海北道一帯は北朝鮮最大の穀倉地帯で、水害による食糧不足も懸念されている。冠水した水田を視察した正恩氏は稲の生育状況が思わしくないと憂慮を示した上で、「決定的な農業技術的対策を立てて、生育状態を改善しなければならない」と述べ、農作物の被害を最小限に抑えるよう要請した。