[ニューヨーク 14日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し下落。対円では2週ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスワクチンを巡る動きや企業のM&A(合併・買収)を手掛かりに株価が値上がりした。
市場では15日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)などに注目している。
英製薬大手アストラゼネカAZN.Lは12日、中断していた英国での新型コロナワクチンの治験について、英政府当局から承認を得て再開したと発表した。
米ソフトウエア大手オラクルORCL.Nは14日、中国系の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業存続に向け、親会社の北京字節跳動科技(バイトダンス)と提携すると発表した。米政府が求める売却を回避する狙いがある。ムニューシン財務長官は、今週中に両社の提携内容を精査する方針を明らかにした。
クラリティ―FX(サンフランシスコ)のエグゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「コロナワクチンを巡る明るい材料が株式相場を押し上げた」と指摘。「株高に伴いドルは軟調になった」と述べた。
ドルは通貨バスケット=USDに対し0.3%安の93.029。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(9月8日までの週)に基づくロイターの算出によると、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する売り越し額は326億7000万ドルで、前週の328億3000万ドルから減少した。減少は2週連続。
今回のFOMCは、物価の一時的な上振れを容認し、雇用の最大化に重点を置いた米連邦準備理事会(FRB)の新戦略発表以降で初めてとなる。
ナットウエストは調査リポートで「最新のドットチャート(今後の政策金利の推移を点で示したグラフ)により、現在のゼロ金利政策が2023年にかけて適切となることが浮き彫りになるだろう」と指摘した。
ドル/円JPY=は0.4%安の105.70円。日銀は16―17日に金融政策決定会合を開く。大きな政策変更は予想されていない。ユーロ/ドルEUR=は0.2%高の1.1867ドル。
ドル/円
NY終値 105.72/105.7
始値 105.93
高値 106.02
安値 105.56
ユーロ/ドル
NY終値 1.1868/1.187
始値 1.1873
高値 1.1887
安値 1.1860