[ワシントン 17日 ロイター] – 中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業を巡る提携案で、米ソフトウエア大手オラクルORCL.Nなど米企業が同事業の少なくとも60%の株式を取得する見通しであることが関係筋の話で分かった。

またバイトダンスは、提携案が米政府によって承認された場合、新たに誕生する「TikTokグローバル」の米上場を計画している。関係筋が17日明らかにした。米市場での新規株式公開(IPO)は約1年以内に実施される可能性があるという。

関係者によると、米財務省が16日遅く、バイトダンスにタームシート(条件規定書)の改訂版を提出。新会社「TikTokグローバル」の取締役会は米国人が過半数を占め、最高経営責任者(CEO)も米国人が就任するという。オラクルは新会社の株式20%を取得することで合意したほか、ウォルマートWMT.Nも新会社の一部株式を取得する見込みとした。

トランプ大統領が同案に署名するかどうかは明らかになっていない。TikTokグローバルが米事業以外にどのような資産を所有するかも不明。

トランプ大統領は16日、オラクルとTikTokとの提携案について、バイトダンスがTikTokの支配権を維持することは望まない姿勢を示した。

関係者によると、タームシートの改訂版には、オラクルがTikTokのソースコードを調査する権利を有することが記されているほか、データの安全性を確保する多数の条項や、米国のユーザーデータは全てオラクルが国内で管理する旨が含まれている。

バイトダンスには現在、セコイア・キャピタルやジェネラル・アトランティックなどの米投資企業が40%出資。関係者は、オラクルやウォルマート、バイトダンスに出資している米企業が最終的にTikTokグローバルの少なくとも60%の株式を取得すると語った。

オラクルやウォルマートの出資額は不明。オラクル、ウォルマート、米財務省からのコメントは現時点で得られていない。

メドウズ米大統領首席補佐官はこの日、トランプ政権は提携内容などについて引き続き検討していると指摘。TikTokがオラクルとの提携後も依然として中国系企業と見なされれば、トランプ大統領の目標を満たさないとした。

バイトダンスは17日、オラクルと技術提携するという自社提案について、最終的に米中両当局の承認が必要になるとの認識を示した。