- モデルナやファイザー、アストラゼネカはワクチンの信頼構築狙う
- 政治色強まる中でコロナワクチンの拙速な実用化への懸念
主要な新型コロナウイルスワクチン候補を開発中の製薬各社は、実用化に向けた最終段階の臨床試験の詳細な情報を公表した。ワクチンの安全性および有効性をどのように評価する方針かについても開示した。
コロナワクチン問題の政治色がますます強まる中で、安全性・有効性が証明される前の拙速な実用化への懸念が強まっていることが背景。米バイオテクノロジー会社モデルナの発表にファイザーとビオンテックも続いた。アストラゼネカは電子メールで、同社もそうした方針を共有すると表明したが、米国時間17日夜の時点でまだ具体的な計画を示していない。
モデルナは17日朝の投資家との会合に先立ち計画を公表した。同社がワクチンの有効性と安全性の確保に向け全力を尽くしているとの国民の信頼を醸成するため全ての試験デザインを共有することを決めたと、ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は説明した。
モデルナの発表直後、ファイザーも試験デザインを137ページに及ぶ文書で公表した。文書にはどのような状況下で初期の有効性の結果が示され得るかについて詳細が記されている。アストラゼネカもウェブサイトで自社の方針を示した。
主要な臨床試験の概要は米政府ウェブサイトで閲覧できるが、試験のモニタリング委員会が予定するデータ分析の方法や時期については製薬会社が公表しないことが多い。
原題:Vaccine Leaders Make Trial Plans Public in Transparency Push (1)(抜粋)