【台北時事】7月30日に死去した台湾の李登輝元総統の告別式が19日、台北郊外・淡水の大学施設で執り行われた。総統府が主催する事実上の「国葬」で、蔡英文総統ら政権幹部が参列。李氏が生前信仰していたキリスト教の儀礼に基づいた礼拝の形式で行われ、「民主化の父」に最後の別れを告げた。
海外からは森喜朗元首相とクラック米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が参列。森氏は8月9日にも訪台しており、2回目の弔問となる。海外から招かれた弔問団は日米の2組のみで、中国はクラック氏の訪台へのけん制として、18日に台湾海峡で実戦演習を展開した。
蔡総統は「李元総統が生前に行った全てが、今日の台湾の発展を築く強固な基礎となった。台湾人を代表して感謝する」とあいさつ。安倍晋三前首相もメッセージを寄せ、「日本と台湾の友好親善、台湾の民主主義と発展に多大なご貢献をなされた李元総統に、改めて深い感謝と敬意を表する」と李氏の冥福を祈った。