- 32人感染した段階で最初の所見を計画-27日にも到達か
- モデルナやアストラゼネカはより多くの感染者が出るまで待つ方針
米ファイザーとドイツのビオンテックの新型コロナワクチン臨床試験は、有効性の有無が競合他社の製品よりも早く判明し得るデザインとなっている。
4万4000人を対象とする大規模試験で両社はわずか32人の被験者が感染した段階で最初の所見を計画している。ワクチン治験を追跡する英分析会社エアフィニティによれば、この数字には早ければ27日に達する可能性がある。
ファイザーは最終目標の164人に達する前に、暫定結果を4回得る機会も設けている。同社はモデルナやアストラゼネカといった先行組とのワクチン開発競争で優位な立場を目指しているようだと指摘する治験専門家もいる。
医療従事者向けに臨床情報を提供するウェブサイト「メドスケープ」のエリック・トポル編集長は「4つの暫定分析がある試験は聞いたことがない。オリンピック級の記録になるかもしれない」と指摘した。
新型コロナは症状や重症度の幅が広いため、ワクチンの評価が難しい。米食品医薬品局(FDA)はワクチン承認の要件として症例数が半数に減ることを挙げている。ただ製薬各社が公表した文書を見ると、どの症例を考慮にいれ、それをいつ行うかについて各社が独自の手法を設定している。
一方、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)と協力しているモデルナは感染者が53人に達するまで所見に踏み込まないとしている。最終的な目標は151人。アストラゼネカとオックスフォード大学は75人の段階で最初の確認を行い、150人で完了するまで再び検証はしない。
原題:Pfizer’s Covid Vaccine Trial May Beat Rivals to Early Look (1)(抜粋)