新型コロナウイルスに感染した人の血液の成分を調べることで、重症化するかどうかを予測する技術を、国立国際医療研究センターのグループが開発し、重症化する人を早期に見つけだす検査の実現につながるとして期待されています。
これは国立国際医療研究センターのグループが発表しました。
グループでは新型コロナウイルスの患者28人から定期的に血液を提供してもらい、血液の成分と症状の変化にどういった関係があるかを詳しく分析しました。
その結果、重症化した12人では「CCL17」と呼ばれるたんぱく質の値が感染の初期から通常よりも少なかったのに対し、軽症や中等症だった人では通常と同じ程度の値となっていました。
さらに、別の4種類のたんぱく質が重症化する数日前から急激に増えてくることも分かったということです。
新型コロナウイルスの患者は当初、軽症でも急に重症化することがあり、治療の課題となっていますが、グループでは、血液中の5種類のたんぱく質の濃度を調べることで、重症化するかどうかを予測できる可能性があるとしています。
国立国際医療研究センターは「重症化する人が早く分かれば、より早く治療ができるため、命を救うことにつながる可能性がある。今後さらに研究を行い、臨床の現場で使える検査キットの開発を急ぎたい」としています。