【ソウル時事】韓国政府は27日、文在寅大統領主宰の緊急安保関係閣僚会議を開催した。北朝鮮による韓国人男性の射殺事件をめぐり、双方が把握した経緯に相違があるとして、真相究明に向けた共同調査を北朝鮮に要請することを決定した。北朝鮮の謝罪と再発防止の確約は評価した。

北朝鮮の正恩氏、異例の謝罪 「大統領、同胞に申し訳ない」―韓国公務員射殺事件

 事件では、男性の「遺体焼却」や北朝鮮側への越境意思などについて、南北双方の主張が食い違っている。韓国では実態解明を求める声が強まっており、決定は国内世論に配慮したとみられる。

 一方、北朝鮮の朝鮮中央通信は27日朝、遺体捜索に関連し、韓国の艦艇や船舶が「領海侵犯」をしていると警告した。「緊張を誘いかねない」として、中断も求めたが、北朝鮮当局も遺体を捜索しており、発見した場合は韓国側に引き渡すことを検討していると伝えた。

 ただ、報道では、韓国が25日に決定した追加調査の要請には反応しておらず、北朝鮮が共同調査に応じるかは不透明だ。