• 米経済対策案また合意できず、トランプ氏がネオナチに指示
  • 米GDP深刻なマイナス成長、働く女性の調査、英国でワクチン進展

討論相手だけでなく進行役の質問までも遮って強引に喋り(しゃべり)散らすトランプ氏を、瞬時に黙らせる魔法の言葉があります。バイデン氏の口癖「Here’s the deal(取引をしよう)」です。バイデン氏はこのフレーズを討論中に12回述べ、トランプ氏の注意を引くことに何度も成功しています。普段から「ディール」にこだわるトランプ氏を意識して、バイデン氏が立てた戦略なのかどうかは不明です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

また先延ばし

ムニューシン米財務長官は民主党の経済対策案を巡り、ペロシ下院議長と約1時間半協議した後、まだ合意に至っていないと明らかにした。合意期待から上昇していた米株式相場は、未成立に失望して伸び悩んだ。一方、ペロシ議長は話し合いを継続すると表明。下院は9月30日中に2兆2000億ドル(約232兆円)規模の民主党経済対策案を採決する。同案が上院を通過する可能性は低い。

プラウドボーイズ

トランプ米大統領は暴力的なネオナチ団体に「待機」を呼び掛けた。29日に行われたバイデン前副大統領との討論で、トランプ氏はカメラに向けて、白人至上主義を掲げる組織プラウドボーイズに「下がって待機せよ」と述べた。プラウドボーイズはこれを歓迎。ある支持者は「待機しています、閣下」とソーシャルメディアに投稿し、大量の閲覧数を集めた。

娯楽・宿泊92%縮小

4-6月の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率31.4%減少。米経済活動は少なくとも1940年代以来の深刻な縮小に追い込まれた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)をきっかけとしたリセッション(景気後退)、それに伴う米事業活動の停止がほぼ全業界を圧迫。特にレストランやホテル、娯楽ビジネスは最悪の落ち込みとなった。

しわ寄せはいつも

新型コロナによる負担増で、離職やキャリア縮小を考えている女性は4人に1人に上ることが、米マッキンゼーと女性支援団体リーンインの調査で明らかになった。317社で働く4万人超の女性を対象にした同調査によれば、働く母親は働く父親の3倍の確率で家事の大部分を担っており、黒人女性の間で負担が特に大きい。また、幹部職の女性は同位職の男性よりも燃え尽きたと感じる割合が高いことも示された。

欧州一番乗りか

英国のオックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発する新型コロナワクチン候補について、欧州の規制当局は迅速な審査を開始する見通しだ。関係者によると、欧州医薬品庁(EMA)は今週にも「逐次審査」を発表する見込み。逐次審査は緊急に必要とされる薬やワクチンの承認手続きを加速させるため、進行中の試験データを当局が評価できる仕組みで、緊急時に活用される。

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