アメリカのIT大手グーグルは、世界のおよそ200の報道機関と提携して、新たにニュース配信のサービスを始めると発表しました。記事などの使用料として今後3年間で1000億円余りを支払うということで、グーグルが巨額の広告収入をあげるなか、記事の使用料を求める報道機関の不満を解消するねらいがあるとみられます。

グーグルは1日、声明を出し、ニュースの配信サービス「グーグル・ニュース・ショーケース」を新たに始めると発表しました。

このサービスでは、報道機関が「パネル」と呼ばれるそれぞれのページに発信したい記事を掲載し、グーグルは記事などの使用料として今後3年間で10億ドル、日本円で1000億円余りを支払います。

すでに、ヨーロッパや南米など世界のおよそ200の報道機関と提携したということで、まずドイツとブラジルでサービスを始め、順次、各国に拡大するということです。

グーグルがインターネットの検索サービスで圧倒的なシェアを握り、巨額の広告収入をあげるなか、各国の報道機関からは使用料の支払いを求める動きが強まっています。

グーグルとしては、使用料を支払うことで報道機関の不満を解消するとともに、独占的な立場を利用して市場の競争を妨げているというアメリカ国内などでの批判をかわすねらいもあるとみられます。