- 生物学とコンピューティング技術の融合は成長が期待できる分野
- コニクにはソフトバンクGやチャンギ空港などが出資している
新興バイオテクノロジー企業のコニクは、新型コロナウイルス感染の有無をいち早く嗅ぎ分けられるロボットの開発に取り組んでいる。
この「臭覚サイボーグ」には、ニューロン(神経細胞)と半導体チップを組み合わせる技術が使われており、爆発物から病原体まで臭いを探知できるという。
コニクによる臨床試験は3週間前に始まり、従来方法と比べてロボットがどれほど効果的にウイルスを検出できるか調べている。小規模な社内試験ではすでに、A型インフルエンザウイルスの存在を正確に検出できることが示されたという。
同社の共同創業者であるオシオレノヤ・アガビ最高経営責任者(CEO)は「病気を検査するための装置が米国には一家に一台あるべきだ」と述べた。
病原体は、病気を起こさせた細胞から放出される独特の揮発性有機化合物、つまり臭いの指紋のようなものを生み出す。これらの特徴的な臭いは、犬が病気を嗅ぎ分けるのを可能にするのと同じ生物学的な手がかりとなる。
犬が新型コロナ感染の有無を嗅ぎ分け、短期間の訓練で-ドイツの研究
「犬が嗅ぎ分けられるなら、われわれにも可能だ」とアガビ氏は語る。同氏はさらに、自社の技術が爆発物や病気の探知にとどまらず、幅広い分野で使われる可能性を思い描いている。例えば、食べ物の味をデジタル化し、ベーコンなどを人工的に再現する取り組みだ。
コニクが取り組んでいるような生物学とコンピューティング技術の融合、いわゆる「ウェットウェア」は成長分野だ。同社にはソフトバンクグループのほか、シンガポールのチャンギ空港、エアバスのベンチャーキャピタル部門などが出資している。
原題:Covid-Sniffing Robots Offer Testing Alternative (Correct)(抜粋)