【ロンドン時事】ジョンソン英首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は3日、テレビ会議形式で会談を行い、難航している自由貿易協定(FTA)締結交渉を続行することで一致した。交渉は2日に終了した会合が最後の予定だったが、双方の溝が埋まらず、合意を目指すには延長が不可避となっていた。

 英国はEUを1月末に離脱し、FTA交渉が3月上旬に始まった。これまで計9回の全体会合が開かれたが、英沖合でのEU加盟国の漁業権の在り方や、英EU企業が公平に競争するための枠組み整備といった懸案で対立が続いている。

 共同声明で両首脳は「合意を見いだす重要性」を確認。双方の立場には依然として「大きな相違」があるものの、妥結に向けて集中的な交渉を進める方針を表明した。首脳同士でも定期的に意見交換していくという。

 ただ、ジョンソン氏が合意期限に設定した15日まで残り2週間足らず。また、FTAの年末発効という英EU共通の目標を達成するには遅くとも月末か来月上旬までに正式な協定書を仕上げる必要があるとみられており、時間との闘いになりそうだ。