- トランプ氏が経済対策の協議停止指示、FRB議長、ハリケーン発達
- ワクチン候補の審査、英EUの通商協定交渉の行方
トランプ大統領が追加景気対策を巡って交渉を停止するよう指示したため、米国株はマイナス圏に急降下しました。主張する規模こそ、民主党の2兆2000億ドルと共和党の1兆6000億ドルの間で開きがあるものの、ゼロではありません。トランプ氏特有の交渉術かもしれませんが、本当に選挙後まで追加策が何も実施されない場合、景気や株価への影響は計り知れません。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
協議停止
トランプ米大統領は追加景気対策パッケージに関する民主党指導部との協議を停止するよう交渉担当者に伝えたと明らかにした。「選挙後まで交渉を止めるよう担当者に指示した。私の勝利直後に勤勉な米国の人々や中小企業を重点対象とした大規模な景気対策法案を通す」とツイートした。
不足より過剰
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、十分な政府支援がなければ米国の景気回復は脆弱(ぜいじゃく)なものになると警告し、景気刺激策を過剰に講じても問題にはならないとの見解を示した。「支援があまりに少なければ景気回復は弱くなり、家計と企業を不必要に苦しめることになる」と指摘。「それに対し、支援が行き過ぎることのリスクは、現段階ではより小さいと思える。政策対応が結局のところ必要以上に大きいことが後に分かったとしても、無駄にはならない」と述べた。
カテゴリー4
メキシコ南東部に接近中のハリケーン「デルタ」は、5段階で上から2番目の「カテゴリー4」に発達した。デルタはメキシコ湾を進み、米ルイジアナ、フロリダ両州にかかる沿岸に向かう可能性がある。デルタは急速に勢力を強め、ユカタン半島のリゾート地カンクンに接近している。米国立ハリケーンセンター(NHC)によれば、7日に上陸し、その後メキシコ湾を通過して10日にルイジアナ州に上陸する。
新たな逐次審査
米ファイザーとドイツのビオンテックが開発を進める新型コロナウイルス感染症(COVID19)のワクチン候補について、欧州の医薬品規制当局が「逐次審査」と呼ばれる審査を開始した。製薬会社が全てのデータを一度に提出するのを待つことなく、進行中の治験データをリアルタイムで提出を受け評価していく。先週には英オックスフォード大学と英アストラゼネカが共同開発するワクチン候補の逐次審査が始まった。
耳を貸さず
欧州連合(EU)は、英国との通商協定についてジョンソン英首相が設定した交渉期限である15日を前に譲歩案を示す計画はない。同首相が言葉通りに交渉を打ち切ることはしないと見込んでいる。EUの外交当局者によると、EUは英国との交渉を11、12月まで続ける用意がある。重要な一線を超える妥協をするくらいなら、ジョンソン首相が本当に交渉を打ち切るリスクをとる考えだという。
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