[ワシントン 7日 ロイター] – 米ホワイトハウス専属医のショーン・コンリー氏は7日、過去24時間、トランプ大統領に新型コロナウイルス感染症の症状は確認されておらず、容体は安定していると述べた。

同氏が発表した声明によると、トランプ大統領は過去4日以上発熱しておらず、入院以降に酸素吸入も受けていないという。

また、5日以降の検査で、トランプ大統領が新型コロナの抗体を持っている証拠が得られたという。トランプ大統領の治療にはリジェネロンREGN.Oが開発中の抗体カクテル医薬品が使用されており、リジェネロンの広報担当者は、検出された抗体は治療によるものである可能性が高いと述べた。

一方、米大統領選まで30日を切る中、トランプ大統領が選挙活動や大統領職務の再開を待ち切れずにいると、トランプ氏の側近らが7日明らかにした。

メドウズ大統領首席補佐官は「トランプ大統領は前日、大統領執務室に戻ることを望んだ。もしそうなれば、安全に関する手順を踏む」と語った。その上で、トランプ大統領の「体調は良好だ」とした。

側近らによると、支持率でトランプ大統領をリードしている野党民主党の大統領候補バイデン前副大統領に攻勢をかけるために、国民向けのテレビ演説に加え、8日には高齢の有権者向け演説を行うことも検討されているという。

トランプ大統領は退院後、ホワイトハウス居住棟に執務スペースを設けて業務に当たっている。ホワイトハウス内ではコロナ感染が広がっており、ABCニュースによると、これまでにトランプ大統領を含め23人の感染が確認された。

米国内の成人を対象に2─6日に実施されたロイター/イプソスの最新の世論調査によると、トランプ大統領のコロナ対応への支持は38%と、9月初旬に実施された調査以降の最低水準に沈んだ。9月3─8日時点には、58%が支持しないと回答していた。

また、調査の対象となった79%(民主党94%、共和党70%)が、コロナ感染拡大について「非常に」もしくは「幾分」懸念していると回答した。

トランプ大統領は、フロリダ州マイアミで15日に予定されている大統領候補テレビ討論会の参加に前向きな姿勢を示していたが、バイデン氏は前日、15日時点でトランプ大統領がまだコロに感染しているのであれば、討論会は実施すべきでないとの考えを示した。

7日夜には、両党の副大統領候補であるペンス副大統領とハリス上院議員によるテレビ討論会が開催される。