[ニューヨーク 9日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国の追加新型コロナウイルス経済対策で合意が得られるとの楽観的な見方を背景に、ドルが3週間ぶりの低水準を付けた。
追加対策を巡っては、民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官はこの日も協議を継続。ペロシ氏は、民主党と政権側が間もなく合意できることを期待していると述べたほか、トランプ大統領は、民主、共和いずれの党の提案よりも大規模な支援パッケージになることを望んでいると述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米外為戦略部門責任者、ビパン・ライ氏は「少なくともホワイトハウス内で追加対策を巡る切迫感が高まっているようだ」と指摘。ただ「問題は上院共和党がこれに同調するかだ。団結しているようには見えない」とし、「追加策が先に進むのか、より明確になるまで膠着状態が予想される」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.54%安の93.05と、9月21日以来の安値を付けた。50日移動平均も同日以来、初めて下回った。ユーロは対ドルで0.57%高の1.1825ドル。ドルは対円で0.39%安の105.60円。
市場では、11月3日の大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が当選するだけでなく、民主党が上院で過半数を獲得する公算が大きいとの観測が高まっている。民主党が政権を奪還すれば、大規模な景気対策が策定される可能性が高まるため、ドルの下押し要因となっている。
バイデン氏勝利の観測は、トランプ政権下で始まった米中貿易戦争で売られた通貨の押し上げ要因にもなっている。中国人民元が最大の恩恵を受けており、オフショア取引で1ドル=6.6778元と、2019年4月以来の高水準を付けた。
英ポンドは0.79%高の1.3035ドル。英国立統計局(ONS)発表の8月の国内総生産(GDP)は予想を下回ったものの、市場では欧州連合(EU)との通商交渉で合意が得られると楽観的な見方が出ている。
ドル/円
NY終値 105.59/105.62
始値 105.84
高値 105.94
安値 105.59
ユーロ/ドル
NY終値 1.1824/1.1828
始値 1.1801
高値 1.1831
安値 1.1794
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