[ニューヨーク 12日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場で、ドル指数は3カ月ぶり安値でほぼ変わらず。新型コロナウイルスの追加経済対策への楽観的見方が広がった。
トランプ米政権は11日、包括的なコロナ経済対策法案を巡る協議の行き詰まりを受け、既に期限が切れた中小企業向け支援策の残余資金を活用した小規模なコロナ景気対策を可決するよう議会に求めた。
また、ホワイトハウスのマクナニー報道官は12日、トランプ大統領が求める経済対策に上院共和党が賛同する意向だと述べた。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「遅かれ早かれワシントンから何らかの刺激策が出るだろうという期待から、ドルは下値を維持している」と指摘。また、「選挙の動向を見ると世論調査では接戦の結果になる懸念は減りつつあり、よりリスクポジティブに、つまりドルにとってはネガティブになっている」と分析した。
世論調査で、民主党大統領候補のバイデン氏が全国的に大きなリードを保っているが、選挙結果を左右するとみられる一部州でのリードは縮小している。
オフショア人民元CNHUSD=Rは対ドルで0.76%下落。中国人民銀行(中央銀行)は、金融機関が外国為替市場でフォワード取引を行う際の法定準備金を12日から撤廃すると発表した。
オフショア人民元は9日、1年5カ月超ぶりの高値を付けた。5月下旬以降、ドルに対して約8%上昇している。ただ、この日は対ドルで3月以来の下落率となっている。
RBCのアジア通貨責任者、アルビン・タン氏は、人民銀の措置で準備金が不要になるため、元をショートしやすくなると述べた。これを受け、元の動きに敏感なオーストラリアドルも約0.4%下げた。
ドル指数=USDは0.059%安。ユーロEUR=EBSは0.18%下落の1.18105ドル。世界保健機関(WHO)は欧州に対し新型コロナ感染対策の強化を呼び掛けている。
円は対ドルJPY=EBSで0.24%安の105.36円。日銀の黒田東彦総裁は12日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的打撃を緩和する手段が尽きたわけではないとし、追加的な金融緩和措置を講じる用意があることを強調した。
英ポンドGBP=D3は1.30ドルを小幅に上回る水準。ジョンソン英首相は12日、新型コロナウイルス感染が再拡大する中、一部地域でパブを閉鎖するなど、段階的な制限措置を追加で導入する方針を示した。
ドル/円
NY終値 105.30/105.33
始値 105.50
高値 105.51
安値 105.25
ユーロ/ドル
NY終値 1.1813/1.1815
始値 1.1796
高値 1.1817
安値 1.1787