• イーライリリー治験停止、IMFが今年の世界成長率予想引き上げ
  • JPモルガンとシティ、ソフトバンクG戦略、対米報復関税認める

新型コロナのワクチンや治療薬の実用化に向けたペースには、専門家とそれ以外の人たち、政治家の間で認識のギャップがやはりあるようです。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に続いて、イーライリリーがプロセスの中断を発表しました。ただ科学者の間では特に異例なことではないよう。安全性確保のためには周囲が理解し、待つことも必要か。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

いったん停止

米製薬大手イーライリリーは新型コロナウイルス感染症(COVID19)抗体治療薬の臨床試験で被験者の登録を停止したことを明らかにした。安全性への懸念が理由。広報担当は発表文で、米政府の支援を受けて進めている臨床試験は、独立したデータ安全性監視委員会(DSMB)から停止の勧告を受けたと説明した。同委員会が停止を勧告した理由について詳しい情報は明らかにしていない。同社株は13日午後の米株市場で一時3.8%下落した。

IMFが上方修正

国際通貨基金(IMF)は新型コロナに起因する世界経済の落ち込みが従来の予想に比べ緩やかにとどまるとの見通しを示した。最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の世界成長率予想をマイナス4.4%と6月時点のマイナス5.2%から上方修正した。2021年はプラス5.2%と予想し、従来の5.4%から引き下げた。IMFは多くの国や地域の政府が打ち出した強力な景気対策で影響が和らいだと指摘する一方で、感染が抑え込まれるまで、回復の道は平たんではないだろうと警告した。

第一陣

JPモルガン・チェースは7-9月(第3四半期)に予想外の増益を記録した。利益は4%増の94億4000万ドル(約1兆円)。株式と債券のトレーディング収入が30%増えた。シティグループの7-9月決算では、規制当局による制裁金の影響で営業費用が約3年ぶりの高水準に膨れ上がった。同行のマイク・コルバット最高経営責任者(CEO)は、規制当局からの懸念を是正するのは「たやすいことではない」と発言。シティの株価は4.8%安で引けた。

ゴールドマンなどと協議

ソフトバンクグループがまたも驚きを与える戦略的な動きを見せた。向こう2週間で「ブランク・チェック・カンパニー」と呼ばれる特別買収目的会社(SPAC)の計画を示す。ソフトバンクグループのビジョン・ファンドを率いるラジーブ・ミスラ最高経営責任者(CEO)が明らかにした。事情に詳しい関係者2人によれば、同社は計画に関してゴールドマン・サックス・グループやシティグループなどの潜在的なアレンジャーと協議している。

大統領選後の可能性

世界貿易機関(WTO)は航空機メーカー、ボーイングへの米政府補助金は不当だとして、米国からの輸入40億ドル(約4220億円)相当に報復関税を課すことを欧州連合(EU)に認めた。WTOは昨年、EUが域内航空機メーカーのエアバスに提供している補助金を不当と判断、米国に75億ドル相当の報復関税を課すことを認めていた。EUに今回承認した額はこれを下回る。EUの政策方針に詳しい関係者3人によると、報復関税の導入は3週間後に迫った米大統領選の後になる公算が大きい。

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