中国公船による尖閣諸島での領海侵犯が激しくなっている。けさの読売新聞オンラインによると「沖縄県石垣市の尖閣諸島沖の領海に中国公船2隻が侵入し、11~13日の57時間39分にわたってとどまった。2012年の同島国有化以降、最長だ。菅内閣が発足した先月の領海侵入はなかった。政府は、中国が再び挑発行為を活発化させることを警戒している」と伝えている。尖閣諸島周辺での中国の挑発行為はこのところ頻繁に起こっている。菅内閣発足後しばらく途絶えていたが、この記事によるとそうした動きが再び活発化しているという。中国の狙いは何か。菅政権に対する牽制だろう。そうした見方はすでに甘すぎるのかもしれない。中国は本気で尖閣諸島の実効支配を急いでいるようにみえる。菅政権はどう対応するのだろう。
読売新聞の記事は次のように続く。「接続水域にいた中国公船3隻のうち、『海警1302』と『海警2302』が11日午前10時47~48分にかけ、1隻の日本漁船を追うように大正島の領海に入った。中国公船は漁船に対して無線で領有権を主張し、海域から退去するよう一方的に求めてきた」という。日本の漁船に向かって「領有権を主張」している場面を想像するだけで中国政府の意図が丸見えになる。まるで漫画チック、笑いがこみ上げるのを噛み殺しながら、「いい加減にしろ」と叫びたくなる。だが、中国にとって尖閣諸島はわれわれが考えるほど生易しい問題ではないだろう。香港、台湾、尖閣諸島と直線でつないでみれば一目瞭然。ここが中国共産党発足以来の領土的野心の対象なのだ。習近平総書記にとっては、核心中の核心といっていいのだろう。
さて日本はどうするのか。けさの産経新聞に答えが載っていた。「《独自》環境省が尖閣諸島の生態調査に着手へ」がそれだ。「環境省が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に生息する動植物の生態調査を年内にも実施する方針を固めたことが14日、分かった。絶滅危惧種のアホウドリの繁殖調査のほか、平成27年に作成した植生図の更新にも着手する。尖閣周辺の領海内には中国公船が頻繁に侵入しており、調査の実施などを日本の実効支配の根拠とする狙いがある」という。力を誇示する中国に知恵で対抗しようというわけだ。頑張れ小泉進次郎!みんなで応援しよう。だが、調査は「衛星画像の解析技術の進歩に伴い、生息状況などの確認が可能だと判断した。政府は尖閣諸島の安定的な管理を目的に原則として上陸を認めない方針を決めており、実地調査は見送る」とある。固有の領土である。せめて上陸して実地調査すべきではないか、市井の一愛国者は愚考する。