[ニューヨーク 15日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが2週間ぶり高値に上昇したほか、円も値上がりした。米経済回復が停滞している兆候を受けて安全資産が買われたほか、追加の米新型コロナウイルス経済対策を巡る協議が大統領選前に合意できない見通しであることが背景。
米労働省が15日発表した10日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は89万8000件と、前週の84万5000件(上方改定)から予想外に増加した。
9月終盤時点で少なくとも2500万人が失業保険給付を受けていたことも示され、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が労働市場に持続的な打撃を与えているとの懸念が高まる可能性がある。
また、ニューヨーク連銀が公表した10月の同州製造業業況指数は10.5と、前月の17.0から低下し、予想の15.0も下回った。
トランプ米大統領は同日、新型コロナ追加経済対策の規模について、民主党側に示している1兆8000億ドルの提案を引き上げる意向を示したが、与党共和党上院トップのマコネル院内総務は大統領の提案に難色を示した。
グローバルト・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、キース・ブキャナン氏は、「交渉関係者の間にまだ大きな隔たりがあり、合意が近いという市場の見方が試されている」と語った。
ドル指数=USDは0.459%高。一時は2週間ぶり高値の93.91を付けた。英ポンドGBP=は0.91%安の1.2893ドル。前日は欧州連合(EU)離脱を巡る交渉に進展の兆しが見られ上昇したが、通商協議への懸念が再浮上した。また、ユーロ圏での新型コロナ感染増加で、景気後退への懸念が高まった。
円は対ドルJPY=では下落したが、対ユーロEURJPY=では0.12%上昇した。ブルームバーグによると、欧州中央銀行(ECB)は新型コロナ感染者急増で経済が減速しても、今月に新たな景気刺激策を急ぐ理由はほとんどないと考えているという。
ドル/円
NY終値 105.44/105.47
始値 105.21
高値 105.49
安値 105.19
ユーロ/ドル
NY終値 1.1706/1.1710
始値 1.1716
高値 1.1722
安値 1.1690