- EUは異例の共同声明発表、「合意を可能にする必要な行動」求める
- ジョンソン英首相、16日に対応を決断-首脳会談で妥結可能性見極め
欧州連合(EU)首脳は英国に対し、通商交渉における一段の譲歩をあらためて求めた。これに対し、英交渉責任者のデービッド・フロスト氏は15日にブリュッセルで開かれた首脳会議でのEUの姿勢に「驚き」、「失望」したと表明した。
ジョンソン首相はEU首脳会議が終了する16日に合意妥結への決意がEU側にあるのかを見極めた上で、交渉の継続もしくは打ち切りを決断する。同首相は今後2週間で合意に持ち込めるよう、EUに集中的な交渉に応じることを求めている。
英国はできる限りを尽くしたと考え、EUに譲歩を促しているが、EU首脳らは解決責任は英国政府にあるとの見解でまとまった。首脳らは加盟国の共同声明で、英国とEUによる「今後数週間の協議継続」を呼び掛け、英国に対し「合意を可能にするための必要な行動」を要求した。英国が望む交渉強化は盛り込まれなかった。
英国の見解に詳しい関係者の1人は協議内容が非公開だとして匿名を条件に、ジョンソン首相は首脳会議での議論や各国首脳らが発するシグナルを読み取り、EUの意向を判断すると述べた。EU首脳らは協議が進行する前の段階で共同声明を発表する異例の手段を取り、声明以上のメッセージを今後発することが示唆された。
今週に入り、双方の交渉はほとんど進展を見せていない。EUはこれまでジョンソン首相が実際に交渉を打ち切ることはないとの確信を抱いていたが、もはやその確信はないと、EU当局者2人が語った。
フランスのマクロン大統領はEU首脳会議場に到着した際に「条件が満たされなければ合意がないことはあり得る」と述べ、「その用意はできている」と言明した。
原題:Brexit Talks on Knife Edge as EU Leaders Demand U.K. Concessions、U.K. Surprised, Disappointed With EU Summit Stance on Brexit(抜粋)