【ワシントン時事】米財務省が16日発表した2020年度(19年10月~20年9月)の財政赤字は3兆1319億1700万ドル(約330兆円)と、前年度(約9843億8800万ドル)の3.2倍に急膨張した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた大規模な経済対策が響き、過去最悪となった。
赤字幅は、これまで最悪だったリーマン・ショック直後の09年度(約1兆4200億ドル)の2倍超に達した。議会予算局によると、国内総生産(GDP)比は約15%と、第2次世界大戦が終わった1945年度(21%)以来75年ぶりの大きさとなる。
歳出は前年度比47.3%増の6兆5518億7200万ドル。コロナ対策の企業支援、失業給付の上乗せ、州・地方政府への財政支援が押し上げた。連邦政府債務が4兆2200億ドル増えたが、低金利で利払い費は逆に8.8%減った。
歳入は1.2%減の3兆4199億5500万ドル。深刻な景気悪化で法人税や個人所得税の税収が大きく落ち込み、財政赤字を膨らませた。