[ロンドン/ワシントン 19日 ロイター] – 米英両国は19日、ロシア軍情報機関(GRU)が来年夏に予定される東京五輪・パラリンピックの妨害工作を含む一連のサイバー攻撃に関与していたとして非難した。
米英はサイバー攻撃について、GRUの「74455部隊」が実施したと指摘。同部隊は「特別技術中央センター」としても知られている。
米司法省は同部隊のメンバー6人を起訴。起訴状によると、2017年のフランスの選挙や18年に韓国で開かれた平昌冬季五輪などを標的とする一連のサイバー攻撃で主要な役割を果たしていたという。また英当局者によると、GRUは東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会に対する「サイバー偵察」活動も実施していた。ただ、攻撃の具体的な内容のほか、実際に成功したかについては明らかにしなかった。
英国のラーブ外相は「GRUによる五輪・パラリンピック組織委員会に対する攻撃は皮肉的で無謀だ。最も強い言葉を使って非難する」とした。
世界反ドーピング機関(WADA)昨年12月、ロシアの広範なドーピング問題を受け、ロシア選手団を東京五輪・パラリンピックを含む主要国際大会から4年間排除する処分を決定している。
米連邦捜査局(FBI)のボウディッチ副長官は「ロシアは高いサイバー攻撃能力を有していると、FBIはこれまでも繰り返し警告してきた。今回の起訴状で、ロシアのサイバー活動が実際にどれほど破壊的でまん延しているかが明らかになった」と述べた。