環境・社会・ガバナンスに配慮するESG投資は20年前の上場投資信託(ETF)登場以来の大きな変化を資産運用の世界にもたらすだろうと、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がリポートで予測した。
同社は19日に発表したリポートで、2025年までには欧州の投資信託資産の最大57%をESGファクターを考慮するファンドが占めるとの見通しを示した。その額は7兆6000億ユーロ(約942兆円)に達すると見込まれている。昨年末の割合は15.1%だった。
また、PwCの調査に参加した機関投資家の77%が、向こう2年の間に非ESG資産の購入をやめる計画だと答えたという。
人種間や経済的な不平等、気候変動などが近年は重要な社会問題となり、金融機関はより公平で環境に配慮した世界を作り出すための貢献に注意を払うことが必要になった。
この結果、ESGファンドが爆発的に増えた。年金基金やプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社、ヘッジファンドなどあらゆる種類の運用会社がサステナビリティーチームを採用して新商品を送り出し、グリーンであることを競い合っている。
PwCはリポートで「ESGは投資の世界をまさに一変させるだろう。金銭的なものとそれ以外の成果基準を同列に置くことになる」と解説した。
PwCによれば、ESGファンドと通常のファンドの最近数カ月のパフォーマンスも投資家の注意を引いた。ブラックロックやアリアンツ・グローバル・インベスターズ、インベスコによると、新型コロナウイルスに起因する一斉売りの時期にESGポートフォリオがアウトパフォームしたという。
原題:Almost 60% of Mutual Fund Assets Will Be ESG by 2025, PwC Says(抜粋)